田舎ヤンサナマズのブログ

Twitter産の田舎鯰が書くアレな話

私は姫である。従者はまだいない。

 うして姫になろうとしたかとんと見当がつかぬ。何でもまとめ記事で綺麗なメスッテに頭を垂れるオスッテを見て、姫という存在に憧れたことだけは記憶している。
 私はここで始めて直結厨というものを見た。しかもあとで聞くとそれはニートという人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。このニートというのは時々我々メスッテを捕まえて籠絡し、オフに誘い込み性的に食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に踊らされ、たまに可愛いと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
 しかしこの時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一気分が悪くなるとすぐその口から時々ぷうぷうと毒を吐く。どうも愚痴っぽくて実に弱った。これが俗に言う"みっどこあ"というものである事はようやくこの頃知った。

 の者の掌の裏うちでしばらくはよい心持に坐り、固定で使うであろう料理を作り帰りを待っておったが、しばらくすると非常な速力でモブハンをし始めた。この者だけが動くのか自分もやらねばならぬのか分らないが無暗に眼が廻る。胸が悪くなる。それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。
ふと気が付いて見ると周りには誰もいない。そしてたくさんおったFCメンバーが一人も見えぬ。肝心のマスターさえ姿を隠してしまった。その上今までいたFCハウスがなくなってしまった。眼を明いていられぬくらいの不安と謎だ。
 はてな何でも様子がおかしいが、リストを開こうとすれば開かぬリストがあるだけに非常につらい。私はFCごと棄てられたのである。どうやら彼の者、早期クリア勢が零式を踏破したことに焦りを感じたらしい。しかし気を悪くしたにしても一瞬の感情が起こす周りを巻き込む大流とはげに恐ろしいものである。

 うやくの思いでハウスエリアから出るとむこうに大きな広場がある。私は広場のベンチに坐ってどうしたらよかろうと考えて見た。別にこれという分別も出ない。しばらくして泣いたら誰かがまた迎に来てくれるかと考え付いた。ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来ない。そのうち広場をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。腹が非常に減って来た。泣きたくても声が出ない。仕方がない、何でもよいから食物のある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと広場を左に廻り始めた。どうも非常に苦しい。そこを我慢して無理やりに這って行くとようやくの事で何となく人の多いところへ出た。ここへ這入ったら、どうにかなると思って竹垣の崩れた穴から、とある邸内にもぐり込んだ。縁は不思議なもので、もしこの家がオープンエリアじゃなかったなら、私はついに路傍に餓死したかも知れんのである。一樹の蔭とはよく云ったものだ。

 の垣根の穴は今日に至るまで私が隣家のフレを訪問する時の通路になっている。さて邸へは忍び込んだもののこれから先どうして善いか分らない。そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは増し、部屋は暗がりのままという始末でもう一刻の猶予が出来なくなった。仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。今から考えるとその時はすでに家の内に這入っておったのだ。ここで私は彼かの者以外の人間を再び見るべき機会に遭遇したのである。第一に逢ったのがオスッテである。
 これは前の直結より一層変な方で私を見るや否やいきなり君可愛いね。どこ住み?LSやってる?と聞いてきた。いやこれは駄目だと思ったから眼をつぶって運を天に任せていた。しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。私は再びその者の説得しようと試みたが何でも同じ事を言われ四五遍繰り返したのを記憶している。その時に直結と云う者はつくづくいやになった。

 の間オスッテのキャンタマを蹴りこの返報をしてやってから、やっと胸のつかえが下りた。私が最後にもう帰ると言おうとしたときに、この家うちの主人らしい男がなんだ騒々しいといいながら出て来た。オスッテは私の肩を抱いて主人の方へ向け、この小猫ちゃんと仲良くしたかっただけですよという。主人はその黒鼻を触りながら私の顔をしばらく眺ながめておったが、やがて「お前エタバンしてんだからすぐに女に手を出すんじゃない。とりあえず客間に通しとけ。」といいながらオスッテの頭をはたき、奥へ這入ってしまった。主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。オスッテは口惜しそうに私を客間へ案内した。かくして私はついにこの家を自分の住家と極める事にしたのである。